エグゼクティブサマリー
北海道奥尻高等学校は、2016年の町立移管と地域みらい留学参画を契機に、「まなびじま奥尻プロジェクト」を軸に島全体を学び舎とする教育モデルを確立した。全国唯一のスクーバダイビング授業と「町おこしワークショップ」による実践的な地域課題解決学習が特徴であり、1993年の大震災から復興を遂行する地域の未来づくりに主体的に参画する人材育成を目指している。生徒の約半数が島外からの留学生であり、島住民による支援体制と進路実績(難関大学進学率が高い)が強みである一方、小規模高校ゆえの課題(遠征費負担、限定的な選択肢)をイノベーション部の事業化支援などで克服している。
1. 現状分析
1-1. 地域特性
地理・アクセス・自然環境
- 位置: 北海道奥尻郡奥尻町。北海道南西端の離島。面積142.97 km²、周囲68 km
- 海域: 日本海に囲まれた「奥尻ブルー」と称される美しい海。水深も深く、スクーバダイビングの好適地
- 気候: 海洋性気候で、冬の平均気温が−0.4℃。北海道内で最も暖かい冬を持つ地域
- 自然環境: 山林が大部分。ブナ林が海岸近くまで迫る全国的にも珍しい景観。象徴的な「鍋釣岩」(高さ19.5m)
- アクセス: フェリーで北海道本島から約50分。陸路での距離感が生徒の自立心や計画力を自然と養成
歴史・伝統行事
- 1993年北海道南西沖地震: 地震直後の津波で最大29m遡上。死者202人、行方不明者28人。特に青苗地区は壊滅状態(死者・行方不明者109人)
- 復興と地域アイデンティティ: 約30年の復興過程で、地域住民の強い復興意欲と相互扶助の文化が形成される。被災地の教訓を活かした「防災」「人命尊重」の価値観が根強い
- 伝統行事: 「奥尻島三大祭り」。コトシロ神社が8月12-14日に開催する最古祭祀。島の文化的アイデンティティの中心
産業・関わりのある企業
- 主産業: 水産業(漁業)、農業
- 歴史的には明治期からのニシン漁が栄える。近年は沿岸漁業(スルメイカ、アカイカ、マアジなど)と底曳き漁業(ウニ、アワビ)に転換
- 海水温上昇による漁獲量減少が課題。2021年度からサーモン試験養殖事業を開始し「奥尻サーモン淡雪」ブランド化を推進中
- 農業: 北海道離島唯一の稲作地。「ふっくりんこ」銘柄米、ブドウによるワイン醸造、黒毛和牛飼育
- 観光業: 漁業の衰退に対応し、自然観光・ダイビングツーリズムが新たな産業展開として注目されている
- 学校との連携: 町おこしワークショップで農産物開発グループが地元米を米粉化し、自衛隊食堂メニュー採用を目指すなど、実践的な産業連携を展開
生活・人
- 人口規模: 約4,700人(1993年の過疎化以前の記録)。現在はさらに減少が進んでいると推察される
- 人間関係: 小規模島社会ゆえ、大人と子どもの距離が近い。高校生が町おこしワークショップで町民と直接対話し、地域課題に取り組む構造が自然に形成されている
- 地域住民の気質: 1993年大震災の復興過程で相互扶助の文化が醸成。島留学生を温かく迎える受け入れ体制が定着している
- 娯楽・文化: 都市部のような多様な娯楽施設は限定的だが、自然体験(海での活動、釣り、キャンプ)が日常的に可能。寮から5分で海に出られる環境
ポジ・ネガの両面整理
| ネガティブに見える点 | ポジティブへの転換 |
|---|---|
| 離島で交通が不便 | 自立心・計画力・判断力が自然と身につく。親元を離れた自己責任の学び |
| 人口4,700人の小規模町 | 大人との距離が近く、実践的な社会人基礎力や対話力を習得。町民全体が教育者 |
| 産業の衰退(水産業の漁獲量減少) | 新産業開発・事業化への機会。高校生が課題解決に主体的に参画。起業マインドの醸成 |
| 娯楽施設の不足 | 自然体験と創造的活動が日常。スマホ依存を避け、集中力と思考力を育成 |
| 過疎化による人口流出 | 島の再生・復興への使命感。「地域の未来を自分たちで作る」という当事者意識の獲得 |
| 30年前の大災害の記憶 | 防災教育の充実。ファクトベースの危機管理能力。命の重さを実感する教育 |
1-2. 高校の特徴
理念
- 設立: 1975年に北海道立奥尻高等学校として設立。2016年4月に奥尻町立に移管
- 教育ビジョン: 「島をまるごと学び舎に」—— 地域資源と地域人材を活用し、社会で活躍できる人材育成。単なる知識習得ではなく、地域課題解決の実践を通じた「生きる力」の育成
- コアコンセプト: 「まなびじま奥尻プロジェクト」。生徒が3年間で「地域を学び、地域のために行動し、地域とともに成長する」サイクルを体験
カリキュラム
特色ある授業・プログラム
- スクーバダイビング(全道唯一)
- 総合的な探究の時間で実施。全3段階(安全講習・基礎講習・実践ダイビング)
- 北海道大学や自然保護の専門家と連携。海底生物調査、防災学習を統合
- ほぼ全卒業生がNAUI Open Water Diver(Cカード)取得。一部の生徒が国家資格「潜水士」取得も実現
- 地元の漁業者からボート提供や空気充填などで地域協力を得ながら実施
-
学習目標: 奥尻島の海、水産資源の再認識。防災意識向上(津波・地震への向き合い)。環境保全への意識化
-
町おこしワークショップ(総合的な探究の時間)
- 生徒が8つのグループに分かれ、地域課題解決に取り組む
- グループ例:海産業課、水産品課、農産物課、商品開発課、環境保全課、広報課、経営課、起業課
- 最終報告会で町民・地域関係者に提案。実装化される案件も多い
- 具体例: 地元米を米粉化し自衛隊食堂メニュー化を推進。温泉ソムリエ養成と連携した観光振興など
-
学習目標: 問題発見力・企画立案力・プレゼンテーション能力・ステークホルダーとの交渉力
-
その他のカリキュラム
- 奥尻パブリシティ本部:島の魅力を発信するメディアリテラシー教育
- English Saloon:日常的な英語コミュニケーション
- メンタリング・ピア・サポートプログラム:相互支援文化の構築
サポート・住環境
寮生活
- 松風寮(まつかぜりょう): 2024年3月完成の新築寮。島留学生15名が入寮可能
- 月額費用: 4万円(食事・光熱費込み)。朝夜食事が寮食堂で提供される
- 生活サポート: 学生自身による共同生活。自炊活動(土日に一緒にたこ焼き・お菓子作り)で自主性・協調性を育成
- 立地: 海から5分。休日に泳ぎ・釣り・花火・BBQ等の日常的な海での活動が可能
- 費用サポート: 2026年度「北海道地域みらい留学奨学金」で、経済的不安を軽減する支援体制を整備
「島おやさん」(島親)制度
- 島の大人(主に地元住民)が「島親」として生徒の日常生活をサポート
- 食事・健康・悩みごとなど、親代わりとしての細かいサポート体制
- 地域の大人と生徒の繋がりを深め、「島全体が学校」という理念を実現
進路指導
- ほぼマンツーマンの個別対応。難関大学から地域就職まで第一希望実現に注力
- 複数の国公立大学(小樽商科大学、弘前大学、室蘭工業大学、札幌市立大学ほか)や難関私大(関西学院大学、慶應義塾大学、津田塾大学、立教大学ほか)への進学実績
- 自衛隊や地元自治体、消防への就職実績
課外活動
部活動
- 野球部、卓球部、バレーボール部、吹奏楽部、ボランティア局
- オクシリイノベーション事業部(OID): 「部活動を支援する部活動」として独立。他の部の遠征費を稼ぐため、奥尻ブランド商品(Tシャツ・トレーナー・地元米製品ほか)を企画・製造・販売
- 年2回の奥尻マルシェ開催、函館のシエスタ函館でのブース展開など、実践的なビジネス経験を習得
- 島留学生と地元生徒の協働による価値創造の現場
地域活動への参加
- 町おこしワークショップでの地域課題解決
- 海岸清掃・環境保全活動
- 地域イベント企画への参加
- 高齢者施設との交流・ボランティア活動
進路実績(2025年3月卒業生)
- 進学率約60%、就職率約40%
- 進学先:難関大学進学が増加傾向。金沢大学、北海道教育大学、関西学院大学、慶應義塾大学、津田塾大学、立教大学など
- 就職先:航空自衛隊一般曹候補生、海上自衛官候補生、地域消防、奥尻町役場ほか
2. コンセプト
キャッチコピー案(複数提示)
案1: 「島全体が先生。大人との距離が近い高校」
- シンプルで分かりやすく、「学び舎としての島」「大人との関係」を同時に表現
案2: 「30年の復興を担う。地域の未来を自分たちで創る高校」
- 1993年大震災からの復興という地域の文脈と、生徒の主体的な役割を繋げた表現
案3: 「北海道の離島で、日本唯一のダイビング授業と町おこしを学ぶ」
- ユニークな教育内容を前面に出した直接的な表現
推奨: 案1(「島全体が先生」) もしくは 案2(「30年の復興を担う」) を軸に展開
コンセプトストーリー(推奨版)
題: 「大人との距離が近い島で、自分の人生をアップデートする3年間」
1993年7月、北海道南西沖地震の津波で200人以上の尊い命が失われた奥尻島。その復興を支えてきたのは、島住民の強い意志と相互扶助の文化である。30年経った今、この島の高校は、全国から集まった生徒たちに「地域の未来をともに創る責任と喜び」を伝える教育の場になった。
北海道奥尻高等学校で学ぶということは、「小さな町の課題を自分たちで解く」経験を得ることだ。サーモン養殖の産業化、米粉の商品開発、観光マーケティング——こうした地域課題の解決に、高校生が直接関わる。目の前にいるのは自治体職員でも外部コンサルでもなく、「島親さん」という地元の大人たちだ。失敗も成功も、ともに喜び、ともに考える関係が、そこにある。
スクーバダイビングの授業では、かつて津波で失われた海と向き合い、防災の実感を通じた「命の大切さ」を学ぶ。都市部の高校では得られない、自然の脅威と恵みを同時に感じる経験だ。
3年間を通じて、生徒は「自分たちの判断で地域を変える力」を身につける。その先にあるのは、進学か就職かではなく、「どこにいても、自分たちで課題を見つけ、解く人になること」—— これが奥尻高校の本当の目的である。
妥当性チェック(4基準での検証)
| 基準 | 判定 | 根拠・評価 |
|---|---|---|
| 意味がある・理念に合う | ◎ 高い | 「島全体が学び舎」「地域の課題解決を通じた人材育成」という校訓に完全に合致。復興地での教育という地域アイデンティティを反映。スクーバダイビングと町おこしワークショップという具体的な施設・カリキュラムで実装されている |
| 地域らしさ | ◎ 高い | 1993年大震災からの復興という歴史的背景、1993年型の地域コミュニティ再生、水産業・農業などの産業課題、島という地理的特性——すべてが「奥尻でなくては成立しない」。北海道離島唯一のダイビング授業も差別化要素として機能 |
| まねされにくさ | ○ 中程度 | ダイビング授業は本当に「全道唯一」で模倣困難。町おこしワークショップは他の地域でも推進されているが、「復興地としての奥尻」という文脈、「島親」制度、「松風寮」といった支援体制の組み合わせが唯一無二。ただし大規模都市部の学校には実装困難な仕組みなので、実質的なライバルは限定的 |
| 続けられる | ◎ 高い | 町立化による地域主体の運営体制。カリキュラム(ダイビング・町おこしワークショップ)は毎年継続。島親制度、松風寮の新築も地域コミットメントの表現。2026年度の新奨学金制度で継続性を強化。ただし、小規模校ゆえの教職員確保や、生徒数の確保が継続課題 |
総合評価: コンセプトは学校の理念・カリキュラムに高度に合致し、地域性と継続性の両面で実装されている。「差別化」「まねされにくさ」は「復興地」「島」「ダイビング」の組み合わせで成立。
裏付けエピソード
エピソード1: スクーバダイビングと防災学習の統合
2024年、奥尻高校のダイビング授業では、生徒たちが海底調査を通じて「1993年の津波が海底地形に刻んだ痕跡」を学んだ。防災ガイドの指導の下、最大29m遡上した津波の記録を海上から眺め、「自分たちの命がどれほど脆いか」を肌で感じる体験となった。これは教科書では習得不可能な「実感的な防災教育」であり、奥尻の歴史と自然科学を統合させた学びである。
エピソード2: 町おこしワークショップから実装へ
農産物グループが開発した「地元米の米粉化」プロジェクトは、最初は町おこしワークショップの課題解決案の一つに過ぎなかった。しかし地域関係者との協働を通じて、実際に自衛隊食堂のメニュー化を実現した。生徒たちは「自分たちの提案が本当に社会を変える」という経験を得、その成功体験が進路選択や人生観に大きな影響を与えている。
エピソード3: オクシリイノベーション事業部(OID)による「事業化」
島の高校という立場で「遠征費が足りない」という現実的課題に直面した野球部やバレー部。その課題を解決するために立ち上がったのが、生徒たち自身による事業部OIDだ。トレーナーやTシャツの企画・製造・販売、マルシェ出店、SNS発信——高校生たちが「自分たちの問題を自分たちで解く」という起業マインドを学んでいる。これは地域課題解決の応用形態として、「生徒たちの自律性」と「島全体が教育者」という理念を同時に体現している。
3. ターゲット生徒像
メインペルソナ
名前・設定: 山田 太郎(やまだ たろう) | 福岡県福岡市 | 中学3年生 | 男性
生徒の状態・背景
- 現在の中学生活: 福岡市内の進学校に在籍。成績は上位30%。学校の勉強自体には問題がないが、周囲の「偏差値」「受験戦争」の空気に違和感を感じている
- 家庭環境: 両親ともサラリーマン。父親は営業職で「成功=大企業への就職」という価値観を持っている。太郎自身は親の期待と自分の本心がズレていることを薄々感じている
- 友人関係: 友人たちは皆、「東大を目指す」「医者を目指す」など明確な進路目標を語っているが、太郎は「別にそれでいいのかな…」という疑問を持ちながらも、言い出せずにいる
- 学校での立ち位置: 成績は良好だが、目立たず、いわば「いい子」を演じている状態。本心で誰かと話をしたことがない
抱えている悩み・モヤモヤ
- 「親や学校が決めた進路じゃなくて、自分で決めたい」という欲望と「親に反抗できない」という恐怖が混在している
- 「今のままの高校生活でいいのか」という漠然とした不安。座学と受験対策だけで、自分の人生がスタートするのか疑問
- 「本当に自分がやりたいことって何だろう」という問いに答えが見つからず、問い自体を後回しにしてしまっている状態
- 都市部の競争社会に窮屈さを感じ始めており、「もっと自然の中で、自分のペースで考える時間が欲しい」という淡い願いを持っている
興味・関心・学びたいこと
- 自然体験: 小学生の頃、修学旅行で知床に行ったときの海岸体験が心に残っている。「自然って面白い」という感覚がある
- ビジネス・起業: YouTubeやTwitterで起業家の話を見ることが多く、「自分たちで何か作って、社会に価値を届けることはできないか」という興味を持ち始めている
- 異文化・他者との関わり: 都市部の「同じような環境の人ばかり」という世界に窮屈さを感じており、「異なるバックグラウンドの人たちとの出会い」に惹かれている
- 災害・防災: 高校で地理の授業中に日本海沿岸の自然災害の映像を見た時、「こういう地域の人たちはどう生きているんだろう」と思ったことがある
高校選択で重視するポイント
- 「自分で判断できる機会が多い」ことが最優先。親や教師の指示に従うのではなく、自分で課題を見つけて解く経験がしたい
- 「実践的な学び」。座学だけでなく、実際に社会とつながった学習がしたい
- 「大人と対等に話ができる関係」。親や教師に「指導される」のではなく、ともに考える相手が欲しい
- 「少人数環境」。大規模校の匿名性よりも、「誰もが自分のことを知ってくれている」安心感
- 「自然が豊か」。都市部の喧騒から離れ、思考を整理できる環境
不安とハードル
| 不安・懸念 | 具体的な様相 | 学校側が提示できる安心材料 |
|---|---|---|
| 親元を離れることへの不安 | 「福岡から北海道へ行くことを親が許してくれるか」「仕仕方なく進学は認めてくれても、離島への進学に反対されるのではないか」 | ①親向けのオンライン説明会で「難関大学進学実績」「進路指導の質」を丁寧に説明 ②進学後も親との連携を密に(月1回程度の親への手紙・SNS更新など) ③奨学金制度で「金銭的な負担ではない」ことを明示 |
| 学力が落ちるのではないか | 「小規模校で、大学受験対策が充実しているのか」「難関大学に進学している先輩たちはどうやって学力を維持しているのか」という不信感 | ①難関大学進学実績の具体例(関西学院大学、慶應義塾大学など)を示す ②「マンツーマンの進路指導」「小規模ゆえの個別対応」のメリットを説明 ③卒業生インタビュー動画(難関大進学者の証言)をYouTubeに掲載 |
| 島での友人関係が上手くいくか | 「いじめられないか」「違う価値観の人ばかりで浮くのではないか」という人間関係への不安 | ①島留学生コミュニティの紹介(同じく親元を離れた仲間がいること)②メンタリング・ピアサポートプログラムの仕組みを説明 ③SNSやnoteで在校生の日常の様子を発信(友人関係の雰囲気が伝わる動画) |
| 生活環境への適応 | 「娯楽施設がない島で3年間、やっていけるのか」「コンビニもないし、買い物は大変では」 | ①寮生活の実際の様子を写真・動画で紹介(海での遊び、自炊の楽しさ、マルシェでの買い物など) ②島の自然体験を「デジタルデトックス」「自分のペースで考える時間」というポジティブフレームで説明 ③オンラインショッピングなど、島でも困らない仕組みがあることを示す |
| 入試難度・学力レベル | 「福岡からの受験で、地元の高校と比較して難しいのではないか」「内申点は大丈夫か」 | ①奥尻高校の入試倍率や合格基準の具体数値を提示②推薦入試の枠や条件を明確に ③「学力だけでなく、志望理由や適性を見ている」ことを強調し、成績だけで判断されない安心感を与える |
サブペルソナ(任意)
名前・設定: 佐藤 美咲(さとう みさき) | 兵庫県神戸市 | 中学3年生 | 女性
生徒の状態・背景
- 神戸市内の私立中学校に在籍。成績は中の上程度。部活動(ハンドボール部)に力を入れており、「全国大会出場」を目指している
- 両親は教育熱心だが、「娘の人生は娘で決める」という方針。進学校進学を強制されていない
- 学校では目立つ存在だが、部活と勉強の両立に疲れ始めている
抱えている悩み・モヤモヤ
- 「ハンドボール一筋で来たけれど、高校でも同じペースで続けられるのか」という体調面・精神面への不安
- 「部活が厳しい学校に進むと、他のことが見えなくなるのではないか」という危機感
- 「高校では違うことに挑戦してみたい。でも、今の友人関係を失いたくない」というジレンマ
興味・関心・学びたいこと
- 環境保全・海洋生物への関心が強い。動物ドキュメンタリーをよく見ており、「海の生き物を守りたい」という想い
- 国際交流や異文化理解にも興味。留学や海外体験を夢見ている
- ただし、進学先としては「遠すぎない範囲」で考えており、北海道なら視野に入る
高校選択で重視するポイント
- 「部活と学びのバランスが取れていること」が何より重要
- 「少人数環境で、自分の意見が大事にされる学校」
- 「海に関連した学びができる環境」
不安とハードル
| 不安・懸念 | 学校側が提示できる安心材料 |
|---|---|
| 部活が厳しすぎて、他の学びができなくなるのではないか | ①バレーボール部の活動内容・時間を具体的に説明。強制ではなく、自分で時間管理できる体制を示す②スクーバダイビング授業が「カリキュラムの一部」であり、部活員も全員参加することを強調 |
| 環境保全の学びが本当にできるのか | ①ダイビング授業での海底生物調査プロジェクトを紹介②卒業生で、海洋生物系の大学に進学した先輩の紹介(note記事や動画) |
| 小規模校での進学実績が本当に信頼できるのか | ①難関大学進学者の具体的な成長ストーリー(進路指導の過程も含めて)をインタビュー動画で配信②小規模ゆえの「マンツーマン指導」のメリットを数字で示す |
4. 学校への提案事項
提案1: 保護者向け情報発信の強化と「親の不安」の可視化
課題: メインペルソナが抱く「親に反対されるのではないか」という不安は、実は親の側も抱いている。離島への進学は、多くの保護者にとって「非認知的・非合理的」に見える。
提案内容:
- 親向けのオンライン説明会を年3回以上開催。「難関大学進学実績」「進路指導の質」「学費・奨学金」に加えて、「親の不安Q&A」コーナーを設置
- YouTube チャンネルで「保護者インタビュー」シリーズを定期配信。「子どもを島に送り出した親たちの声」を収集し、同じ立場の親たちの参考資料にする
- 「進学後の親との連携プログラム」を明文化。月1回の親向けニュースレター、親が参加可能な学校行事(スクーバダイビング体験会など)の企画
期待効果: 親の理解と支持が深まり、生徒の決断と親の同意の齟齬が減少。遠方からの志願者(特に保護者の説得が課題となるケース)の増加。
提案2: 「自分の人生を自分で決める体験」をテーマにした中学生向けワークショップの企画
課題: メインペルソナのような「親の期待と自分の本心がズレている」生徒たちは、進学説明会では「奥尻高校の良さ」を聞いても、「本当に自分で選べるのか」という根本的な不安を抱いている。
提案内容:
- 年2回の「島体験ツアー」を企画。中学生が実際に奥尻島を訪れ、1泊2日で寮体験・ダイビング体験・町おこしワークショップへの参加体験を実施
- ツアー内では、「あえて『進学を説得する』ことをしない」。代わりに、「自分で決める瞬間」「自分で判断する経験」にフォーカスした設計(ワークショップでの問題解決タスク、島親さんとの対話セッション、寮での夜間座談会など)
- ツアー後に「決断ジャーナル」を作成させ、「自分の人生を自分で決める」という行為そのものをメタ認知させる
期待効果: 体験を通じた「主体的選択」が生まれ、進学後の学習意欲が高まる。また、「親を説得する際の材料」として機能(親が「本人が本当に望んでいるのだ」と実感できる)。
提案3: 「起業・ビジネス」領域の深化と、在学中の事業化機会の拡充
課題: スクーバダイビングと町おこしワークショップは素晴らしいが、OIDだけでは「本気のビジネス経験」の規模が限定的。進学後に経営学部や起業系の進路を目指す生徒たちへの支援が弱い。
提案内容:
- 「奥尻ビジネス塾」(仮称)を設置。外部の起業家・経営者をメンターとして招聘し、月1回のレクチャーと、生徒たちの事業提案へのメンタリングを実施
- OID の活動を「デジタルマーケティング」「SNS運用」「財務管理」といった詳細な領域に細分化し、生徒たちが自分の専門領域を選択できる仕組みにする
- 「奥尻高校発のスタートアップ」を企画。例えば、「地元の特産品を使ったEコマースプラットフォーム」の構築など、本気度の高い事業プロジェクトを在学中に実現
期待効果: 「起業マインド」「ビジネススキル」を習得したい生徒の獲得。進学後に経営学系・起業系の進路を目指す卒業生の増加。地域との産業連携の深化。
提案4: 「環境保全・海洋生物」領域の専門的な学習プログラムの設計
課題: 高いスクーバダイビング授業の質を活かしながらも、「環境科学」「海洋生物学」「防災学」といった学問的な深掘りが十分ではないと推察される。サブペルソナのような「海洋生物保全に興味を持つ生徒」のニーズに対応できていない。
提案内容:
- 北海道大学や東北大学などの海洋科学系学部と連携し、「奥尻ダイビング・リサーチプログラム」を構築。高校生が大学研究室の研究に参加する仕組み
- 定期的に海底生物調査を実施し、その結果を学会ポスター発表できるレベルにまで高める
- 「防災×海洋生物」というテーマで、1993年の津波の記録と現在の海底地形の変化を連続的に調査するプロジェクトを企画
- これらの学習成果を「奥尻環境・防災レポート」として毎年発行し、進学後の大学研究に繋げる素地を作る
期待効果: 「海洋科学に本気で取り組みたい」生徒の獲得。大学進学後の研究継続性が高まる。地域の防災・環境政策への実質的な貢献(学術的な価値)。
提案5: 卒業生ネットワークと「リターン・イノベーション」プロジェクトの構築
課題: 小規模高校は卒業後の進学先が分散し、卒業生と在校生の繋がりが薄れやすい。また、「進学したら終わり」になり、奥尻とのつながりが失われる傾向がある。
提案内容:
- 「奥尻高校校友ネットワーク」をオンラインプラットフォーム(Slack、Discord など)で構築。卒業生同士、そして在校生との継続的な交流を促進
- 「リターン・イノベーション」プロジェクト:大学で学んだ知識・スキルを、奥尻の地域課題解決に活かす機会を提供。例えば、経営学を学んだ卒業生が町おこしワークショップの顧問になる、情報系を学んだ卒業生がOIDのマーケティング支援をする、など
- 年1回の「卒業生・在校生合同ワークショップ」を開催。進学先での学びと地域課題をつなぎ、「奥尻とのつながりを持ったまま社会に出る」意識を醸成
期待効果: 卒業生の愛校心が深まり、地域への恩返し活動が活性化。在校生のモチベーション向上(「大学に行った後も奥尻と繋がっている」という見通しが持てる)。長期的には、地域産業の高度化と人口還流のきっかけになる可能性。
情報ソース
- 学校詳細 | 地域みらい留学
- 北海道奥尻高等学校(公式ホームページ)
- 北海道奥尻高等学校 | 地域みらい留学
- 令和8年度(2026年度)北海道奥尻高等学校入学者選抜の手引
- 2026年度入学者対象「北海道地域みらい留学奨学金」のご案内
- 奥尻高校(北海道)の情報(偏差値・口コミなど) | みんなの高校情報
- 島をまるごと学び舎に!奥尻高校「まなびじま奥尻PROJECT」│くらしごと
- 北海道奥尻高等学校 - Wikipedia
- 寮生活〜休日編〜|北海道奥尻高等学校
- スクーバダイビング | 北海道奥尻高等学校
- スクーバダイビング始動|北海道奥尻高等学校
- 被災地奥尻で紡ぐ未来の可能性~奥尻の歩み編 | ローカルニッポン | 無印良品
- 北海道奥尻町
- 奥尻町 - Wikipedia
- 奥尻町|北海道への移住・定住を応援する情報サイト 北海道で暮らそう!
- 奥尻島 アーカイブ - 離島経済新聞
- 北海道南西沖地震 - Wikipedia
- 奥尻島津波館 | 北海道奥尻町
- 復興の概要 | 北海道奥尻町
- 令和5年度 卒業生の進路状況(令和6年3月卒) | 北海道奥尻高等学校
- 町おこしワークショップ~農産物グループ~|北海道奥尻高等学校
- 【奥尻町】北海道奥尻高等学校 | 北海道の人、暮らし
- 新企画始動!地域に貢献いたします~オクシリイノベーション事業部(OID)×奥尻の温泉ソムリエ~|北海道奥尻高校OID|note
- 奥尻町(奥尻郡)の観光スポットランキングTOP10 - じゃらんnet
- 奥尻町 特産品・特産物 / ひやまを旅しよう - 檜山振興局産業振興部商工労働観光課
- 奥尻町の水産業データ | 奥尻町
- 奥尻パブリシティ本部を終えて|北海道奥尻高等学校
- ~町おこしワークショップ(総合的な探究の時間) 最終報告会~|北海道奥尻高等学校
- 被災地奥尻で紡ぐ、新しい未来の可能性~島紹介編 | ローカルニッポン | 無印良品
- 【島News】「まなびじま奥尻」で学ぶ3年間。奥尻高校が全国から生徒を募集 - 離島経済新聞